
ジエノゲストは、ピルよりも痛みへの効果が高く子宮や卵巣を守る薬、偽閉経療法(GnRHaアナログ)よりもマイルドな薬です。月経で困っている方、ピルが体に合わない方は、ぜひ試してみてください。
婦人科でのホルモン剤というと、ピルを思い浮かべる方が多いと思います。
しかしピルには血栓症という命を落としてしまう副作用があることも事実で、ピルを内服できない方もいらっしゃいます。
そのような方にも使用可能な薬剤がジエノゲスト(商品名;ディナゲスト)です。
毎日1日2回の内服を、妊娠したいと思う時まで、または閉経になるまで、内服を継続します。
ジエノゲストには血栓症の副作用がないので、10歳代から50歳くらいまで(つまり初経から閉経まで)の多くの女性に適応があります。
新型コロナウイルスが世界中で蔓延して以来、血栓症に関してより配慮が必要な情勢も鑑み、当院ではピルと同等、むしろホルモン治療の『ファースト チョイス』としてジエノゲストを提案致します。

ジエノゲストは、黄体ホルモン単剤の治療薬です。
妊娠に近い状態にして月経困難症や子宮内膜症を治療します。
近年、毎月おこる月経そのものが、子宮や卵巣にダメージを与えることがわかってきました。排卵が起こることで炎症物質や痛みの原因になる物質が放出されたり、自分のエストロゲンによって、子宮筋腫や子宮内膜症などのエストロゲン依存性疾患が悪化してしまうのです。
ピルに関しても従来の周期投与(毎月月経を起こす方法)よりも、連続投与(約3~4か月ごとに月経を起こす方法)のほうが、スタンダードの治療になりつつあるのも、『月経の回数を減らすこと=子宮や卵巣を守ること』という考え方からきています。
つまり、月経が完全になくなるジエノゲストは、子宮や卵巣を守る効果は高いといえます
生理って、こなくて大丈夫なの?』『ずっと生理をこさせないで、妊娠しづらくならないの?』という質問を、患者さんのみならず、お母さま方からもよく受けます。
毎月、自分の体から出るホルモンや炎症物質で子宮や卵巣にダメージを負ってしまうゆえに、不妊症になる可能性があります。そのような物質を放出させないホルモン剤を使用することで、不妊症のリスクを下げること(プレコンセプションケア)になります。
妊娠したいときになったらジエノゲストを中止すれば、月経が再開し良い状態で妊活をスタートできます
ただし、5~10%は排卵するといわれていますので、コンドームの併用など別の避妊方法が必要です。避妊の適応はありません

内服している間は、月経はこなくなりますが、閉経にする薬と違って自分のエストロゲンは少しだけ出ているので、更年期や閉経になるわけではありません。
ディナゲストの本体はプロゲステロンという月経の後半にでているホルモン製剤で、妊娠中のような状態をイメージいただくのが近いかもしれません。
ただし妊娠中のように大量のホルモンが放出されているのではなく、とてもマイルドに作用しますので吐き気などの副作用も少ないです。
とくにジエノゲスト0.5㎎錠は、自分の体からでているエストロゲンをほとんど変動させません。ピルに関しては、日本のガイドラインでは月経が来て間もない思春期女性には、
骨代謝への影響を考慮して使用すべきとの注釈があります。しかしジエノゲスト0.5㎎錠は、骨代謝回転を下げないというデータがあります。つまり思春期世代10歳代の方にも、安心して使用できる保険の薬剤なのです。更年期症状や副作用も出にくい傾向があります。
ジエノゲストはピルに比べ不正出血が起きやすいです。
9割の方が、不正出血を経験します。特に内服し始めの半年間は、少し不快かもしれません。
出血がおきやすい理由として、内膜を偽脱落膜化させる作用と、卵胞の発育を抑制しエストロゲンの上昇を抑制させる作用があるため、内膜が厚くならず、薄くはがれやすい状態になってしまい、不正出血が起きやすくなります。
患者さんや他のドクターから良く聞くのが、『1日2回の内服、メンドーです』問題です。
ジエノゲストは半減期が約7時間なので、こればかりは仕方がありません。
ただ、いちど習慣化してしまえば、意外と皆さん内服継続できています。
